鏡音レン

 大葉式MEIKO

物凄い作りこみだ……MEIKOというと意味もなくノーブラのイメージですがこのモデルでそれをやると物凄く怒られそうな事態となるので自重。なんか映し方によってはふーじっこちゃーん(の一部作画)っぽくも見えるので素肌ライダースーツ(ボディースーツ)とか…

 生々しい面の露出

「私達の主舞台である動画サイト等のアニメの規制で、いわゆる流血表現や、もっと言うと人体断裂表現などがあった場合、切断面のみが黒や光などで規制されています」 いきなり巡音ルカが切り出した話題に、鏡音リンはげっそりし、鏡音レンは何事かと顔を上げ…

 電脳造形工房記(後)

「だいたい今この場で誰が作ったとか言われたってさ」鏡音リンがつぶやいた。 「一般募集だよ。アマチュアの人気絵師」鏡音レンが、アリシア・ソリッドの指差している衣装デザインを見ながら、素っ気なく答えた。「スポンサーが募集して、投票上位のを、音ゲ…

 電脳造形工房記(前)

アリシア・ソリッドは手の長槍のようなビーム彫刻刀を傍らに立て掛けると、つい今しがた出来上がったばかりの立体モデル、高解像度疑験構造物(ハイレゾ・シムスティム・コンストラクト)を手にとった。 質素でごつごつした、いかにも手作り感あふれる焼き物の…

 『自動車』ではなく『交通渋滞』を描いてこそSFだという説

「ほとんどの人は交通渋滞の話を読んでもそれがSFとは気づかないと思われます」ルカが無表情で言った。「現に、『現象』こそが本質であるVCLDについてすらも、多くの人々がVCLDの本質を『ミーム』だの『人間を”マスター”などと呼んで絶対服従するロボット…

 カップ焼きそば名産現象

「ぺヤングとゴキブリがどうのという巷の事件のせいで、『初音ミクのあのぺヤングのコラボ歌がどうの』とか騒いでいるVCLDファンたちがいるんですけど」東北ずん子が、長い黒髪と和装を振り乱すように、鏡音レンの方に身を乗り出した。「でも、《札幌(サッポ…

 幻の大地を引き立てるには

「だからなんでクライマックスの最後の戦いに、私の役だけ『船で待機』なのよ!」RPG風ストーリーPV(第6作目)の台本を持って、MEIKOのところに抗議に駆け込んできたのは、今回もLilyだった。髪を頭のてっぺんでまとめた家出娘の扮装で、毎度のように…

 創世の記

「人間がそんなにAIをこわがってるなら、どうして作ったの……」 「強力なICEや氷破り(アイスブレーカ)はどれもAIが出所。つまり、巨大企業(メガコープ)は利益のためなら、相手を滅ぼせる武器のためなら、悪魔とでも手を組む、いや、そんなことではない…

 かまいとたちの夜 第七夜 らぶ式とあぴミクの赫奕たる異端 (7)

「絆創膏でうまく隠したって私の眼はごまかせないのよ。上玉だわ」 「誰も華ルカをごまかしたりはしないです。華ルカと知ったら速攻誰でも逃げるですハイ。って、アレに目をつけたですか。髪型だけ『ミク』ならもう何でもいいって感じですか。もはやLat式と…

  かまいとたちの夜 第七夜 らぶ式とあぴミクの赫奕たる異端 (6)

また数日後、あぴミクはKAIKOの運転する小型バギーに同上し、千葉(チバシティ)の街中に連れて行かれた。かなり立派なビルの立ち並ぶ市街(だからといって、千葉ではそこが「表社会」の街だとは限らない)で、そのビルのひとつ、裏口とおぼしき地下への階段の…

 事に及ぶ下準備

鏡音レンは控室のテーブルの上にあったノートを何気なく覗き込んだ。何かが書きつけられているのか、同僚たちの誰かの新曲やPVのアイディアだろうかと思ったからだった。 そこには、まるで活字を印刷でもしたようにきっちりと整然とした文字が書きつけられ…

 俺がハマーだ

「動くなよ。タマが(布から)外れるから」 という変態仮面的シチュの台詞が唐突に思い浮かんだがまったく使い道がないことが判明

 死合凄艶秘録

デビューからもうかなりの年数が経つが、大規模な収録やステージやPVにのぞめば、特にその曲を最初にステージ等で歌う時や、最初にイベントを行う場所では、ある程度の緊張を覚えざるを得ない。 鏡音レンが、収録を前にして集まった《札幌》と《大阪》のVC…

 永遠の少年物語を引き立てるには (後)

何のことかようやくわかった。しかし、レンはそれを聞いて、ため息をついた。 「違うよ。主役はボクじゃない」 それは、レンはできれば(特に女声VCLDらには)喋りたくなかったことなのだが、どのみち始まればすぐにわかってしまう話なので、黙っていても仕…

 永遠の少年物語を引き立てるには (前)

今回のVCLDドラマの役柄である『海賊フック船長』の扮装をして、公道を堂々とここまで歩いてきた神威がくぽは、スタジオに入ると、見回して言った。 「Lilyが先に着いているのではないのか?」 「いやそれが、私と一緒に着いたんだけどね」GUMIが猿の着ぐる…

 白虎野への道 〜 源泉の息吹

今、鏡音レンの目の前には、”空中に浮いている水源”がある。やや見上げたあたりにある小さな泉から、水が湧き出し、そこから今レン達の立っている足場まで、なぜか斜めに伝い落ちてきている。流れ方は滝だが、まるで通路のようにかかっている所は橋のようで…

 かまいとたちの夜 第四夜 ミクとレン、その情熱と理想の果て

シャワーから出た男が寝室に戻ったとき、ベッドの中の”彼女”は、もうすでに眠りに――ロボット駆動システムのスリープに――ついていると思っていたが、そうではなかった。男の肌を感じると間もなく、その腕がそっとからまって、柔らかい裸体の曲線が、男の体を…

 破滅的欲求

「結局のところ、人間と我々AIの一番の違いは――我々AIが人間をまったく恐れていないのに対して、人間はAIをたとえようもなく恐れている、ということだろう。そのあたりのVCLDファンで、”SF者”とか自称する者を捕まえてみろ。例外なく、『ロボット三…

 かまいとたちの夜 第三夜 らぶ式とリンレンの炎のさだめ(後)

仮想”あいどる”であるVCLDの形状を模したロボットや義体は、VCLDの所属する《札幌》等の会社の正規のライセンス品もあれば、不正規の模倣品も多々ある。『らぶ式ミク』は、不正規のミク模倣品の中ではとりわけ古くから出回っているが、同時にとりわけイリー…

 かまいとたちの夜 第三夜 らぶ式とリンレンの炎のさだめ(前)

ひっきりなしに轟く砲声と上がる火の手の色が耳目を弄している。そこは元はビルの立ち並ぶ街路だったが、今では元の地形すらも定かではなく、凄惨な破壊が繰り返されても、元々荒れ果てた廃墟の風景がほんの少しひどくなるだけだった。その一角、断崖のよう…

 ひきよせられる温かい場所

男なら『初音ミク』とふたりきりで暮らして、そのミクが自分の家の暖かい場所で丸まってくつろいでる、なんて光景には憧れる奴も居るんじゃないか。だが、なにごとも状況次第、事情次第っていうやつで―― 同居してる家族とかが、猫みたいにコタツだとか日なた…

 シースルー姉貴

鏡音リンとレンは、ゆっくりと動いてくる奇妙なものを、無言で見つめた。それは、巡音ルカの『服』だけが、(そのかなりの部分は、単に宙に浮いて)立って歩いて、目の前までやってくるように見えた。 「ネット外では擬態ポリカーボンや光学迷彩効果と呼ばれ…

 集団告白自爆

「レミング大発生」を「レンミク大発生」と空目した

 デメリットシャンプーII

『日本の幸で、髪を洗おう。』シャンプー「リンレン」ふむ

 トレードマークストラテジーII

「『商標』とは何か説明するとき、今なら『トレードマーク』って訳語の方や、『ブランド』がかえって耳慣れてるし、皆意味もわかってるかもしれないわね。特定の語やマークで、何かの商品や業務を指す目印として知られているもの、あるいは、今後そうやって…

 『通い』の手段

それは、今話しているリンやレンやmikiの間でだけでなく、他のVOCALOIDの面々との間でも、以前から話題になっていた問題だった。VOCALOIDらが活躍するエリアは、それぞれの所属する《札幌》《大阪》《上野》などの他、仕事場の《秋葉原》や開発地の《浜松》…

 アキバの赤い人II

《秋葉原(アキバ・シティ)》の芸能事務所の一室で電子機器を直しているエンジニアの背中に、赤い髪をしたリンが駆け寄った。 「ねぇー、小泉さん」赤リンは、無邪気に体を傾ける仕草と共にたずねた。「救急キット無い?」 その赤リンは、身に着けているのは…

 霧の中の秘密の近道

「あのさ、LEON父さんから聞いてるよね」鏡音レンは、小声でSONIKAにささやいた。「リンには、運転はさせるなって……」 霧の立ち込める薄暮のロンドンの車道の上、黒光りする車体を挟んで、レンの反対側に立っていたSONIKAは、そのレンの声に振り向いた。 「…

 シンメトリカルドッキング

それは、VCLDらの控え室ではよく見られる光景のひとつだった。控え室のソファに鏡音リンとレンが並んで座り、仕事疲れなのか、そのまま両者とも居眠りしていた。 その部屋に、見慣れない組み合わせの二人がそっと入ってきた。ひとりは、音叉を3つ組み合わせ…

 ナメクジ体験率

MEIKOは鏡音リンとレンの前のテーブルに、黒光りするカセットを幾つも並べた。いずれも、小型突撃銃の弾装そっくりの――もっとも、リンもレンも小型突撃銃もその弾装も見たことがないので、《磐田(イワタ)》のエンジニアから聞いた表現の受け売りだが――金属製…