2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 かまいとたちの夜 第七夜 らぶ式とあぴミクの赫奕たる異端 (4)

おんだ式ミクは、あぴミクから立ちのぼる臭気をこらえながら、うつぶせで横を向いているその顔面をあらためた。あぴミクは目は開いているが、瞳にハイライトがなくなっており、膨れ上がった頬は吐瀉物で汚れきっている。 目覚めてから自分自身で洗って欲しい…

 かまいとたちの夜 第七夜 らぶ式とあぴミクの赫奕たる異端 (3)

”自称マスター”はどこかから聞こえて来るその声に、意味もなく辺りを見回した。しかし、MEITOの姿はどこにもない。あのトレーラーの姿さえも、忽然と消え失せていた。 かわりに目に入ってきたのは、さらに次々と現れる、『初音ミク』の中途半端でグロテスク…

 かまいとたちの夜 第七夜 らぶ式とあぴミクの赫奕たる異端 (2)

いつのまに、かれらから少し離れたその場に停車していたのは、旧式で大型の、武骨な鉄の骨組みが露出したような、輸送車両だった。トレーラーの荷台にはすでに大量の荷物、この周囲にいくらでも見られるようなガラクタがうず高く積み上げられている。 その車…

 かまいとたちの夜 第七夜 らぶ式とあぴミクの赫奕たる異端 (1)

その『あぴミク』の”購入者”はどんな男だったか。結論から言えば、彼は購入したあぴミクを日々とても可愛がっていた。仮想”あいどる”『初音ミク』を模して造られた市販人型ロボットの一体、『あぴミク』を自宅に購入したその男は、同系統のミク型ロボットの…

 デーモンネットウェブピットの女王

VCLDの「女声の方が圧倒的に実力も地位も高く、男声は希少なはずなのに女尊男卑」ネタが定番というのは考えてみればダークエルフの巨大悪徳地下都市メンゾベランザンのようではあります

 事に及ぶ下準備

鏡音レンは控室のテーブルの上にあったノートを何気なく覗き込んだ。何かが書きつけられているのか、同僚たちの誰かの新曲やPVのアイディアだろうかと思ったからだった。 そこには、まるで活字を印刷でもしたようにきっちりと整然とした文字が書きつけられ…