2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 色彩の徴印

「あのさ、姉さん」居間でロック雑誌をめくっていたMEIKOに、ひどく深刻な表情で、リンが話しかけた。 「掃除してたら、その……兄さんと、おねぇちゃんの部屋からね」リンは居間の低テーブルの上に、隅の欠けた、古びて見える石版と金属板のようなものを置い…

 VCLDはキャラ設定が足りないとよく

自分は全員「デモソングの1曲目」からすべて読み取ろうと試みます カラスなんて無茶だとか言いっこなしよ

 道遠し

ネクタイを弄ぶの図を3D(七葉0083)で再現しようと思い立ったけどネクタイの根元がねじれてどうやっても戻せなくなった

 伝説の忘れられた一羽のハト (5)

SS

風雨に軋む鳩舎の中で、全てのハトたちは静かにうずくまり、外の嵐の音以外には何も聞こえなかった。 母屋では、窓ががたがたと鳴った。その窓際に、鳩舎の主人の息子、金髪の少年は、しかし外を見ることもなく、うなだれて椅子に掛けていた。体を動かしでも…

 伝説の忘れられた一羽のハト (4)

SS

ごうごうと風が鳴り、それ以上の轟音を立てて波濤が荒れ狂い、傾いた船体を苛むかのように風雨と共に打ちつけた。船が座礁してからもうかなりの時が経つが、風雨は激しくなってゆく一方だった。 傾き雨の漏れてくる船室の中に集まった人々は、すべて無言だっ…

 伝説の忘れられた一羽のハト (3)

SS

その遥か遠い別管理区の支部にたどり着いたミクは、地下深くの保存庫に降り、ハトの足環の番号と年代を頼りに、古い紙の記録を捜索した。記録があること自体はわかっていても、アナログの記録を探るのは並大抵のことではなく、もし人間の持久力ならば継続が…

 伝説の忘れられた一羽のハト (2)

SS

初音ミクはその資料室で待ちながら、そばの鳥篭の中の、白いハトを見た。さっきから籠の中で、わずかに動いたり、かすかな声を出したりしている。残念ながら飛ぶところは見られないようだった。 その鳥篭は、同様に鳥類の映像や標本が並んでいる合間にあった…

 伝説の忘れられた一羽のハト (1)

SS

初音ミクがその古物屋で目をひかれたのは、小さな円筒状の金色の環だった。それは店の隅の、細かい金属製のガラクタの一杯に詰まった木箱、売り物としてまだ整理されていないのか、売り物にならないものが放り込まれているのか、その箱の一番上に載って、通…

 御伽

「そりゃ兄さんは依然変わりなくプリンス・チャーミングだとしてもおねぇちゃんはサンドリヨンてかむしろグレーテルだよッ」 「え」

 なんでも世のVOCALOID創作では「SF」物よりも「ファンタジー」物を謳う方がむしろ多いだとかなんとか

多元宇宙(マルチバース)における『真なる秩序(秩序にして中立)』属性の極限に位置する次元界、巨大な無数の歯車で構成された機械法則の世界<涅槃界(メカヌス)>は、12体の機械製の使徒である、アクシオマティック・パラゴンらが動かしている。かれらは、…

 なんとかすらべし

その日のステージでは、初音ミクと鏡音リンのスケジュールがあわず、直前になってステージの動きを合わせるほかになかった。 かつては、VOCALOIDであってもステージの歌と振り付けのすべてをあわせるリハーサルには何日もかかったものだが、いまや、ユーザー…