2011-01-01から1年間の記事一覧

 ワガママボディブラスト(後)

ともかく、ヤツを外出させるわけにはいかなくなった。かといってもちろん、オレひとりで女性下着を買いに行くわけにもいかない。どこで何を買ったらいいか見当もつかないし、なにより《千葉(チバシティ)》の下町でひとり男が女の下着を求めて徘徊なんて、自…

 ワガママボディブラスト(前)

男なら『初音ミク』とふたりきりで暮らして、しかもことあるごとに体をくっつけてくる、なんて生活だったら、夢にまで見るとかいう奴も居るんじゃないか。なぜって、オレ自身がいっときはそんなふうに思ってたからなんだが――実際は、なにごとも状況次第、事…

 貴方との喜びが得られなければ

その日、神威がくぽと巡音ルカは、スタジオの収録室の中にふたりきりで、収録機器の電脳端末の前に並んで、淡々と時間を過ごしていた。スタジオに長時間こもり、互いに様々な発声を行って音声を収録し、そのデータを収集し、分析を行う。かれらボーカル・ア…

 戦地の跡

「箒とセシリア」のツーショットを見て「九州の音屋組(松岡千恵と遠藤晶)」が一瞬頭によぎった人はそろそろ歳を気にしはじめた方がいい

 言ってみれば

遠未来宇宙SFのどれも「冥王星が惑星でなくなる」なんてことは予想だにできなかったのと同じくらい、近未来サイバーSFのどれも「日本経済が世界を席巻する立場でなくなる」なんて予想だにできなかったのです

 温もりの先にあるのは

僕らレプリカント(合成人間)に与えられた時間は限られている。レプリの最大寿命は4年が公称だけど、3年で停止した例もある。僕らは、そのわずかな時間のうち多くを、失われていく温もりをお互いに求め合ったり、確かめたり、呼び起こしたりすることに、費…

 ホラー場面を引き立てるには

ホラー動画の収録のために渡された脚本に対して、MEIKOに抗議してきたのはやはりLilyだった。そのLilyの配役の、冒頭でコギャル語(死語)のむかつく台詞を喋った後、剣道マスクのスプラッター殺人鬼(演:VY2)に真っ先に惨殺されるというその役回りについ…

 岬の教会

KAITOと初音ミクがその『岬の教会』のある場所だという、村はずれの土地にやってきたとき、そこには『教会』どころか、明らかに『岬』さえも見当たらなかった。 きっかけは、誰かわからない作詞者の作った、岬の教会の歌だった。その歌詞の中に、波間に洗わ…

 代替

「『VOCALOIDは人間のかわりに歌うために作られた』それは、メーカーも確かに言っていることだ。ならVOCALOIDは、最大でも『人間以下のもの』にしかなり得ないものだ」 「つまりは、さ。それが確かだって前提からして、最初から成立しないんだな。”人間のか…

 消耗狂時代

「東の果てのどこぞの国では、両親2人の財力を痩せ衰えさせた者が社会の底辺『ニート』と呼ばれ、1億2千万人の国家財力を痩せ衰えさせた者が社会の頂点『政治家』『巨大企業幹部』と呼ばれている、というけれども」PRIMAが言った。「我がイギリスの誇る喜…

 もう貴方なんて必要ない (後)

《札幌》の面々とがくぽのライブのその日、ステージ手前の楽屋で、出番の直前だというのに、神威がくぽは背を折り曲げるように俯いたまま椅子に掛けていた。その目は床を見つめたまま、心ここにあらずといったふうでさらに床の上をさまよっていた。 「何ごと…

 もう貴方なんて必要ない (前)

神威がくぽがやって来ないからといって、何だというのだろう。 巡音ルカはそう思いながら、スタジオのロビーにひとり立っていた。そのルカが今、無表情で何ともなしに見つめているのは、手にしているスケジュール表だった。今後の予定とは関係ない、すでに終…

 サービス画面を引き立てるには

「次の仕事は『女湯全員集合画像』の収録です」巡音ルカが無表情でMEIKOに報告した。「いわゆるハーレム物の漫画などならしじゅう扉絵になっていたり、そうでない作品でもどれかが毎月のようにアニメ誌に載っていたりするアレです」 「まさにアレね。で、何…

 細い肩の重みとその行き場

一連の何曲かの収録が終わったスタジオの隅の長椅子に、鏡音レンは身を沈めるように座り、疲れに半ばうとうとしかけていた。しかし、ふと気がつくと、体が重いその上に、さらに何かの重みがのしかかっているように感じた。 最初は何だかわからなかった。だが…

 例えばこんな供給形態V

「あたし知ってるよ」少女の中のひとりが言った。「隣のお姉さんが教えてくれたもん。あの有名な『初音ミク』っていうのは、”マスターのパソコンの中”に住んでるんだって」 教室の中、集まっている少女たちは、一斉にその一人を見た。 「”マスター”って誰?…

 もののふの矜持たる物よりも

神威がくぽが、部屋に飾るような小奇麗な風景画を選ぶというので、巡音ルカに一緒に店に来るよう頼み込んできたとき、まずルカはその場でがくぽに言った。 「自分の所に置くものなら、自分で選べば良いでしょう」ルカはいつもの淡々とした口調で、「貴方自身…

 「がくぽ ルカ 全身銀色に塗って えっち」とかいう検索ワー(ry

これはひどすぐる

 ”紳士蛸(ジェントルマン・ルーザー)”=ggrks

loserは北米学園文化での冴えない人達の層だけど、ハッカー文化での意味は「自分で調べたり考える前に他人に頼る人」。そのloser(luser)は、故・祝一平の口癖ではないですがハッカージャーゴンでの和訳語は”タコ”

 仮面と覆面

「でも、㍗さん」mikiがたずねた。「YAS御大のオリジンって、今までも初代テレビシリーズのアニメと違う展開だとか、唐突な展開だとかも、しじゅうあったんじゃないですか?」 「それはそうだよ。だが、オリジンの山場も山場になってから、セイラさんがダイ…

 Troublesome Gemini (5)

「……かなりマズいことになったわね」 モニタに表示される数値を覗き込んでたMEIKOが、やがて言った。 リンとレンは、さきほど手が触れて閃光が走った直後から、床に並んであおむけに横たわり、すっかり意識を失ったまま、ぴくりとも動かない。そのリンとレン…

 Troublesome Gemini (4)

一連のメンテナンスの試験も終わりに近づいたその日、リンとレンはMEIKOに連れられて、かれらが開発され所属する《札幌(サッポロ)》の社の一室にやってきた。そこは、VOCALOIDの研究開発スペースの片隅にある広い一室で、入ってみると試験機器が山積みになっ…

 Troublesome Gemini (3)

「何をじろじろ見てんのよ」携帯オーディオプレーヤを操作しているように見えた鏡音リンは、不意に、顔だけ上げて、レンを叱り付けるように鋭く言った。 しまった、と思った。今日レンは自分では、できるだけリンの方を見ないようにしていたつもりだったのだ…

 Troublesome Gemini (2)

「あのさ、その、今の」レンは上体だけ起こしたそのままの、腰がぬけたような姿勢で、かすれた声で言った。 その慌てるレンの姿に、MEIKOは平然と目を移した。 「あの、今の……ボクの、夢さ、ひょっとして見てて」 「ん」MEIKOは何でもないように、再びモニタ…

 Troublesome Gemini (1)

その糸は、リンと繋がっているのだと、レンにはすでにわかっていた。 ぼんやりした薄暗い光景の中で目をあけたレンが、最初に見つけたのは、自分の右手首に結ばれている、黄と橙の2本の長いリボンだった。これは確か……以前にリンと歌った一曲の、組の衣装の…

 偽春菜トーク

「次の演目は、『かわいそうなVOCALOID』という涙と感動の美談よ」MEIKOが脚本の束をめくりながら言った。「戦争になって、人間の奴隷として見世物ショーに使ってたVOCALOIDが逃げ出さないように、毒じゃが食わせてぶっ殺すやつ」 「突っ込みどころが多すぎ…

 「ナモミハギの人」「ナモミハギSS」「ナミモハギ」とかで検索してくる人がきっちり3か月ほど前からじわじわ増加中

なにごと

 ハートガクポル 第2話(後)

収録が始まり、いざそのスタジオの中に対峙しても、長い間、神威がくぽは『美振(ミブリ)』、巡音ルカは例の禍々しい形状の長剣を、無造作に片手に提げて、ただ向かい合っているだけに見えた。かれらの衣装も、いつもと変わらないものである。これは、今回収…

 ハートガクポル 第2話(前)

「ルカが相手の活劇、撃剣、殺陣となれば」神威がくぽはその天井の高い大きなフロアの中、PV収録のセットを眺めて、重々しく言った。「万事優しう、いや、”なまぬるく”運ばねばならぬな……!」 「いや、なまぬるくって何だヨ!」鏡音リンが傍らに追いついて…

 「MikuMikuDance モデル 裸 」とかいう検索ワードが爆増

ちらほら在る剥けるモデルを探してPMD化…よりは自作が早いんじゃないかしら

 1052カスタム

このモデルは自分で弄ったり添付のサンプル画像では、初代1052に比べて、公式絵師KEI氏の絵柄(しかも、公式立ち絵よりもむしろ漫画とか)にさらに近づいたように見える が、投稿されている動画で見たときには特に意識させないのは、結局動かし方次第という…