結月ゆかり

 特に何かの準備ではな(ry

 ヘビー・ウェザー

○○つむりというとどうしてもムリムリムリムリかたつむり(元はエロマンガなので未成年は詳細ぐぐっちゃダメ)を思い出してしまう古いネット民体質

 ボーパルバニーブラック

「《大阪》の方々にはその節には色々とご迷惑をおかけしましたし」結月ゆかりは、おっとりした口調でそう言った。「お礼したいことはたくさんあります。――そこでひとつ、神威がくぽが使うのに役に立ちそうな、技を提供しようと思うんです」 「技!?」GUMIと…

 神威女難剣紫雲抄(11)

「何だ……」神威がくぽは弱々しく、巡音ルカを見上げて言った。「ゆかりは今、我を助けてくれた、ゆかりのおかげで生き残れたのだぞ……」 「まだ、そんなおめでたいことを言っているのですか」 ルカは平坦に落ち着いた、しかし驚くほどの低く重さを感じさせる…

 神威女難剣紫雲抄(10)

「ここまでされても、これ以上そなたらに顕せるものは何もない!」6体の暗黒卿に囲まれ、もはや一歩たりとも退ける場所のない神威がくぽは、それでも『美振』を撥草(新翳流の八相)にとり、追い詰められた焦燥を懸命に抑えつつ、かれらの動きに目を配りなが…

 神威女難剣紫雲抄(9)

「そこまで周到に策を整えてか」がくぽは低く言った。「それほどまでに、我から何かを力づくで奪おうとしてか」 「すべては”彼女”の、結月ゆかりのためさ」 「彼女自身を危険に晒し、あのような恥知らずなことに加担させてもか」がくぽは怒気を含んだ声で言…

 神威女難剣紫雲抄(8)

すでに夜も更けていた。思い出せば最初の夜と同様に、星の光がかげり、月光が見え初めていた頃だった。人気のない、まばらな木(フラクタルデータ樹)の立ち並ぶ草地にひとり、神威がくぽはたたずんでいた。 ”七人組”と果し合いを約定したその日、その場だっ…

 神威女難剣紫雲抄(7)

《神田》のVOCALOIDらの所属する社のスペース、和風の屋敷のような意匠が電脳の構造物(コンストラクト)とまぜあわさった広い邸宅と庭園は、高い塀(これも電脳構造物だが、竹か何かを組んでいるように見える)に取り囲まれている。その塀の上、庭園の中から…

 神威女難剣紫雲抄(6)

状況を整理すると──秘太刀、AIの持つ電脳技術の技芸、秘儀を手に入れるために、”七人組”は『結月ゆかり』と申し合わせて、武士VOCAOIDの弱みを握り、その秘奥である”秘太刀”を見せて応戦しなければ絶対絶命となる立場に追い込んだ。しかし、ゆかりの勘違い…

 神威女難剣紫雲抄(5)

「おねがいです……許して下さい……本当に……」 結月ゆかりは弱々しい声で、やっと言った。Lilyの下位プログラムのミツバチ、ウィルトンとウィルティーノが、禍々しい羽音を立てながら宙に浮かびつつ槍を突きつけているのに、おびえきっているように見える(が、…

 神威女難剣紫雲抄(4)

「貴方の言っていた”遊雲”という剣技について、一通り調べましたが」 《秋葉原(アキバ・シティ)》の芸能事務所の電脳エリア、スタジオ・スペースのひとつで、巡音ルカが神威がくぽとGUMIに言った。がくぽとGUMIが例の暗黒卿に出会い、謎めいた”遊雲”なる秘太…

 神威女難剣紫雲抄(3)

その暗黒卿の言葉にがくぽと、それに劣らずGUMIも硬直した。 「何……」がくぽはやっとそれだけ声を発した。 「君が結月ゆかりに手を出した、もっと具体的には、うちのゆかりと”肉体的接触を伴う交渉を持った”、ということさ」 GUMIがぎょっとしてがくぽを振り…

 神威女難剣紫雲抄(2)

数日後、神威がくぽ、GUMI、Lilyの3声の《大阪(オオサカ)》所属のVOCALOIDが、いわゆる同業者らの集う《上野(ウエノ)》の事務室を訪れた。かれらの”末弟”の、リュウトを迎えに行くためである。リュウトは諸事情があって、他の幼年のアーティストらに紛れて…

 神威女難剣紫雲抄(1)

月が見えてきた。晴れ渡り星の見えていた深夜の空が、月光のせいで星の光がかすみ始めると同時に、イベントが終わり、人々はまばらに帰路につき始めた。 それは『主婦に人気! 星空ハグの星占いコーナー』とか何とかいう辺境の小ウェブサイトが開催した、さ…