2008-10-17から1日間の記事一覧

 伝説の忘れられた一羽のハト (4)

SS

ごうごうと風が鳴り、それ以上の轟音を立てて波濤が荒れ狂い、傾いた船体を苛むかのように風雨と共に打ちつけた。船が座礁してからもうかなりの時が経つが、風雨は激しくなってゆく一方だった。 傾き雨の漏れてくる船室の中に集まった人々は、すべて無言だっ…