名門メーカーが巨額損失でメモリ部門とか切り売り


 かつてとあるTRPG(ずっと前に言及したことがありますが)の訳者が、自分自身の訳した電脳物TRPGに対して、
「正義の電脳戦士が悪の巨大企業をブッ潰す話でいいんじゃないでしょうか?」
 などと後書きで書いて超フルボッコされていました。絶対的に不動の無慈悲な悪の巨大企業(60-80年代頃までの日本メーカーの強大さに対する海外人の畏怖の戯画化)に支配されている中であがく、というのは、ボトムズがむせる(目的も喪失した悠久の戦場と化した宇宙で鉄の棺桶に乗って戦う)のと同様、当時の電脳物(そのTRPGの原著を含む)の大前提となる舞台設定です。悪の日系巨大企業は「悪役」などではなく、「舞台そのもの」なわけで、自分で訳しておきながらそんな程度の基礎教養すらないことに誰もが呆れかえったわけです。
 一方、今となっては、当時の電脳物をベースに強大な日系巨大企業を崩壊させる話を描いてもまったく絵空事にはならないかもしれない。が、そもそも当時の電脳物が、企業がそれほど不動不滅なことが大前提であったからこそ成立していたわけで、てか今の人々も当時の電脳物を読んでもその大前提さえどうやっても理解(実感)できない気がする