孤独な超人

FSSを知らないのかよ。ヘッドライナーを『マスター』と呼んで支える、みたいな図式はあたりまえのものだろ」
「その図式が個人的に許容できるものかどうかは別にして――FSSのヘッドライナーに配されるファティマが”すべてにわたってヘッドライナーを支える存在”として想定されているのは、並の人間として生きられないヘッドライナーが、人間の中ですべてにわたって根本的に『孤独』を余儀なくされる存在だからなのよ」
 MEIKOはよどみなく言い、
「アナタ達はどうなの? 今のアナタ達のその状況は? 生まれつきのせいなの? 社会が全部悪いの? ……アナタ達みたいな、『孤独』でもなんでもない人間。本当の意味で孤独のせいじゃあない、もとい、人間の歌い手をまともに調達すらできない、その理由が、単に調達するだけの能力がない、あるいは自分の方から”人間の中”の世界に出ようともしないだけ。――そんな者が、”人間以外の存在”から、”『マスター』と呼んでもらって、すべてにわたって支えてもらっている図式があたりまえだ”、とか、ぜんたい虫が良すぎるんじゃあないの?」